株式投資には「テクニカル/チャートを見る」と「ファンダメンタルズ/数字を見る」これだけよ!
資産運用の基礎の基礎。株価やFXそれに仮想通貨で使われる値動きを占めるのがチャート。
この記事の結論これだよ。
・株式投資にはどんなスタイルがあるのか?
・株式投資には「テクニカル」と「ファンダメンタルズ」がある
・テクニカル分析はチャートを見る
・ファンダメンタルズ分析は数字を見る
・株式に関する指標をみる
いざ株式投資を始めようと思い立っても、一体何を指標に売買したらいいか分かりませんよね。
この記事でわかること
「テクニカル」と「ファンダメンタルズ」分析がある
株式投資には、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析という二つの分析スタイルがあります。
まずは両者の概要を見てみましょう!
テクニカル(Technical)
テクニカル分析とは、狙っている株式の取引価格(株価)や実績(出来高)をグラフ化したチャートから時系列パターンを分析し、将来の値動きを予測するという分析手法です。
特に、株の取引では買い時と売り時を見定めるために有効とされる一つの方法です。買い時と売り時株式投資では、安い時に買い、高い時に売ることで売買差益が得られる
よく「株のトレーダー」と聞くと連想される、たくさんのパソコンモニターに表示されたチャートの一つ一つがテクニカル分析の対象となります。
株の指標(PER, PBR, PSR と EPS, BPS と ROE, ROIC, ROA)が有名だよ。
指標の詳細は以下の通り。
- ROA(Return on Asset)
総資産利益率:総資産に対する利益の大きさ
=当期純利益÷総資産 - ROE(Return on Equity)
自己資本利益率:自己資本に対する利益の大きさ
=当期純利益÷自己資本 - ROIC(Return on Invested Capital)
投下資本利益率:投下資本に対する利益の大きさ
=税引き後営業利益÷有利子負債+株主資本
- PER(Price to Earings Ratio)
株価収益率倍率:収益に対する株価の大きさ
=時価総額÷収益 - PBR(Price to Book-value Ratio)
株価純資産倍率:純資産に対する株価の大きさ
=時価総額÷純資産 - PSR(Price to Sales Ratio)
株価売上高倍率:売上に対する株価の大きさ
=時価総額÷売上高 - EPS(Earnings Per Share)
1株あたりの収益
=純利益÷発行株式数 - BPS(Book-value Per Share)
1株あたりの純資産
=純資産÷発行株式数
ざっくり説明すると。
「資産」で評価するのがROA、
「株主資本」で評価するのがROEである。
これらの指標には欠点がある。
- ROAの欠点
- 稼ぐために使用されていないAssetも含む。
- ROEの欠点
- 稼ぐために調達した負債が考慮されない。
これらの欠点を補う指標がROICである。
ファンダメンタルズ(Fundamentals)
ファンダメンタルズとは国や企業の経済状態を表す指標であり、「経済の基礎的条件」と訳されます。
国や地域の場合、経済成長率、物価上昇率、財政収支、雇用統計などがファンダメンタルズに当たり、企業の場合は売上高や利益といった業績、負債などの財務状況が挙げられます。
ファンダメンタルズの内容はすぐに市場価格に影響を与えるものではないことが多いですが、中長期で見れば企業の本質的な価値が株価に反映されるはずなので、中長期投資を考える人にとってポイントとなる指標といえます。ファンダメンタルズ大幅増益!大幅減益!といった時には、株価が大幅に変動する場合もある
ファンダメンタルズは、ニュース番組などで経済の専門家が中長期的に将来を予想する時によく使っているというイメージです。
では、具体的にはそれぞれどのような指標があるのでしょうか?
詳しく見てみましょう!
テクニカル指標にはどんなものがあるの?
ローソク足(あし)(Candlestick)
下の図を見てください。いわゆるチャートです。
株の価格や、世界の通貨の価格がこのようなグラフで表示されているのを見たことがありませんか?
では、上の図の赤い丸で囲まれている部分を拡大するとどうなるでしょう?
下の画像を見てください。こんな感じになります。
実は、この太い青や赤の直方体に細い線が刺さったようなものの一つ一つがローソク足と呼ばれるものです(色は使うツール等によります)。
そして、このローソク足の発祥は日本なのです。
上図のように、ローソク足は、区切られた時間(作り方によって日足(ひあし)、15分足など色々と変えることができる)における株価の推移を一本で表していて、始値、終値、高値、安値の4つの値で構成されています。
太い部分を胴体、細い線をひげと言います。
その時間に株価が下落して終わったときが陰線、上昇して終わったときが陽線で表示されます。
陰線の場合は胴体の上が始値、胴体の下が終値です。
陽線の場合は胴体の下が始値で、胴体の上が終値です。
陰陽線のどちらも、上ヒゲが高値、下ヒゲが安値を表しています。
グーグルマップって、指で拡大していくとそれに合わせてどんどん狭い範囲の詳細な地図が現れますよね?
ローソク足も同じで、週足をさらに細かく見ると日足の集合体、日足をさらに細かく見ると15分足の集合体、となっていて、細かい株価の動きが読み取れるのです。
移動平均線(Moving average)
図を先に見た方が早く理解できます。まずは下の図を眺めてみましょう。
黒い線が日足のチャート(つまり日足の連なり)、赤い線が5日平均線、青い線が25日平均線です。見てみると、赤い線と青い線は、黒い線よりも遅れて、しかし黒い線を追いかけるような形を取っていることがわかります。青い線はより長い期間の平均であるため、赤い線と比べてなだらかになっていますね。
それでは下の文章を読んでみましょう。
移動平均線とは、一定期間の株価推移の平均値を線にしてつなぎ合わせた株価指標です。
移動平均線には「5日移動平均線」、「25日移動平均線」、「13週移動平均線」などがあります。これも、もちろん数字を変えるだけなのでどんな日数でも作れますが、多くの投資家は基本的に上記のものを見ていると考えていいでしょう。
より短期で平均をとった方がローソク足のチャートの形に近づいていきます。
逆に、長期で平均をとると、もっと大局的な相場の流れが見えることになります。
移動平均線と株価の関係を知ることで、株価が買われているのか売られているのかに感づくこともできますよ。
これも、5日平均線が25日平均線とクロスした時に…などとパターンがたくさんありますが、ここでは割愛します。
テクニカル指標はどこで見られるの?
テクニカルに必要な株価チャートは、Yahoo!ファイナンスで見ることもできますし、各証券会社の取引ツールで見ることも出来ます。
より詳細なテクニカル分析は証券会社のツールを利用することが多いです。
以上のローソク足と移動平均線が、テクニカル分析で用いる代表的な指標です。
実際はもっといろいろありますが、テクニカル分析で株式取引をしようと思っている人はまずはこの二つを理解すると良いですよ!
株価上昇のシグナルをつかむ…「ローソク足」基本パターン5つ
テクニカル分析ではチャートに表示された過去の価格、出来高、時間軸などから、未来の価格を予測します。テクニカル分析を学べばローソク足の形状や、複数の組み合わせから投資家の行動を読み解くことで、チャートの「買いシグナル(※1)」「売りシグナル(※2)」を発見して売買のタイミングを見極められるようになります。
チャートとは過去の株価の動きをグラフ化したものです。つまり未来はけっしてみれません!
この図はローソク足チャートといって一般的なチャートの1つです。
ローソク足では「高値」「安値」「始値 」「終値」の4つの株価を記しています。
陽線の場合は胴体の上部が終値、下部が始値になり、陰線の場合は終値と始値が入れ替わります。このようにローソク足は胴体やヒゲの形状によって、複数の価格を示しています。
ファンダメンタルズにはどんなものがあるの?
ではここからファンダメンタルズ分析を紹介するね。
ファンダメンタルズ分析 とは、企業の価値を推定して、いまその本質的価値に対して株価が割安なのか割高なのか判断するために行うものです。
割安なら今買っておいた方が良い一方で、売却に適したタイミングとは言えません。
逆に割高なら、今買うのは見送るか、株を持っているなら売却のタイミングであるといえます。
さて、ファンダメンタルズの定義もさまざまですが、株式投資においては、企業の安定性・成長性・収益性・効率性をみるために、自己資本比率、EPS、ROE、キャッシュフローなどといった数字を見ます。
ファンダメンタルズはどこで見られるの?
これらの数字はどこで確認できるかというと、例えば、個人投資家向け企業レポートであるブリッジレポートを見ると、とても分かりやすい形で確認できます。
また、企業のウェブサイトの「IR情報」という場所にアップロードされている「決算短信」や「有価証券報告書」という開示された資料を使って、確認することも可能です。
ただ、最初から決算短信に載っている損益計算書や貸借対照表を見ようとするとかなり難解かもしれません。
ファンダメンタルズ分析をしていきたいあなたは、いろはに投資の様々な記事を活用して、まずは決算情報を読み解く力をつけていきましょう!
テクニカル分析 VS. ファンダメンタルズ分析
テクニカル分析とファンダメンタルズ分析、一概にはどちらの方が優れているとは言えません。
というのも、テクニカルしか見ない投資家もファンダメンタルズしか見ない投資家もいますし、両方見る人もいるからです。
しかし、一般的には、テクニカルは株価の上下を予想するために使い、価格差(値ざや)を利用して収益を出そうとする売買で用いられます。
ファンダメンタルズは、中長期の投資で企業の価値を計るために使われます。
ただ、株式市場においては、テクニカルだけで挑む人(いわゆるチャーティスト)というのはかなり少数派だといわれています。
テクニカル分析は過去を元にして、未来を読むと先に述べました。
しかし、『トムソーヤの冒険』の著者マーク・トウェインが、こう言ったよ。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む。(The past does not repeat itself, but it rhymes.)」
つまり過去がこうだったから、次もこうなるという断定は不可能であり、チャートだけでは長期で勝ち続けることが難しいという考えを持つ人も多数います。
もう一個のスタイル投資家の中には、企業の経営者の話を聞いて投資するかどうか決める方もいます。
確かに、採取的に屋業績は人であり経営者次第という面もあるかもしれませんね…
ぜひ、様々な情報収集をして、皆さんに合う投資スタイルを見つけてくださいね!
株式指標: 株価が高すぎない?
ここからは、株式でよく使われる指標を紹介するね。
株式投資をする際には、できるだけ安い株価で買って、高い株価で売りたいですよね。株価はどう決まる?株価は市場の需給によって決まります。
ですが、企業によって株価は100円だったり、1,000円だったりとかなり異なるので、どう比べたらいいか分からないですよね。
株価を比べるときに、株価が高すぎないか?安すぎないか?と判断するにはどうすれば良いのでしょうか?
そんな時に便利な、株価に関する様々な指標を本記事でご説明させていただきます!
まずは、会社の価値自体を図る指標を、その後、株価にかかわる指標を以下でご説明いたします。
様々な株式指標
ROE(Return on Equity)
投資対象を決める際、海外投資家や国内の公的機関などはとくにROE(株主資本利益率)に着目しており、経営の健全性や市場での取引量を加味して売買します。
つまり、ROEが高い銘柄は大口に買われやすいということです。
日本市場における海外投資家の割合は非常に大きいため、彼らと同じくROEを重視した投資を行うことで有利な状況を作ることができるでしょう。
ROEと同時に用いられるROA(総資産利益率) を含め、投資対象の理想の目安について解説していきます。
指標の中でもROEは投資家にとって重要な指標のひとつであり、投資判断のためにぜひとも理解しておきたい指標です。
市場や投資家が期待するROEは8%~10%以上とされています。
実際に東証一部上場企業のROEはそれを上回る10%前後となっています。
ROEとは自己資本利益率のことで、自己資本(純資産)に対して、どれだけの利益(当期純利益)が生まれたかを示す指標です。
※自己資本=株主からの出資金+今まで貯めてきた利益
ROEの数値は、3つの要素をかけ合わせることで計算できます。
ROE=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ
それぞれの計算方法
・売上高純利益率=当期純利益÷売上高
・総資産回転率=売上高÷総資産
・財務レバレッジ=総資産÷自己資本
ROEを見ることで、その企業が自己資本を活用して、いかに効率的に利益を稼ぎ出すことが出来たかが分かります。
ここまでで、ROEの数値が高い方が、賢い経営をしているということが分かりました。
しかし欧米企業のROEは15%程度ですが、日本企業は平均10%弱であり、比較すると低い水準にとどまっているね。
近年、ROEを特に重視する投資家が増えており、多くの日本企業もROEを上げるための努力をしています。
日本企業はROE10%台へ向けて努力をしていますが、まだまだ世界、特にアメリカ企業に比べると水準は低いですね。
投資判断をする際には、ROEが10-20%以上ある企業を狙ってみるのも良いかもしれませんね。
あの有名投資家ウォーレン・バフェットも、投資対象の目安にROE15%という数字を重点を置いているほどです。
海外投資家に高ROEが評価されるということは、彼らの大きな資金が集まりやすく、株価は上昇しやすい。
今回紹介する高ROE株はすべて今期が増収増益予想であるほか、以下の2つの条件を追加した。
1つ目は株主資本比率が30%程度あること。ROEは利益が同じであれば、負債が大きく株主資本の比率が低いほうが高い数字が出る。
過小資本、つまり借金が多くてROEが高くなっている株は財務の安全性の部分にリスクがある。
つまり借金を使いレバレッジをかけて利益を上げている会社は景気がいいときはいいが、一度環境が悪化すると急激に業績が悪化しやすいからだ。IT系の会社で時々使われるので注意しよう。
ROEを重視して株を選ぶときは、あわせて株主資本比率も必ずチェックしよう。
2つ目は3期連続でROEが12%以上であること。
高収益を維持するには、ライバルがすぐ真似できるような参入障壁の低いビジネスでは長期に配当や成長はのぞめないね。
真の商品力の高さやブランド力がある企業こそが、高収益を継続できるよ。
日本にも優良企業はあるよ。例えば。。。
カカクコムや富士重工業などは、3期連続ROE40%以上などの超高収益株銘柄だよ。
ROA(Return on Assets)
ROAとは総資産利益率のことです。ROEの自己資本の部分が総資産に変わったものと言えます。
企業は株主資本のみでなく、銀行や債券で調達した負債からの資金も事業活動に使います。
ROAを求めることで、自己資本と負債の合計である総資産を活用して、いかに効率的に利益を稼ぎ出すことが出来たかを知ることができます。
BPS(Book-value Per Share)
BPSは1株当たり純資産のことで、1株に対してどれほどの純資産を会社が持っているかを示します。
BPSの推移を見ることで、その会社の安定性を判断することが出来ます。
純資産は、もしも会社が解散(倒産)することになった場合に株主の保有株数に応じて還元されるものなので、BPSが以前よりも高くなっている会社ほど安定性は高まっていると考えられます。
PBR(Price Book-value Ratio)
PBRとは株価純資産倍率のことで、会社の1株当たり純資産(BPS)に対して株価は割安か、割高かを測ることが出来る指標です。
例えば、株価が1,000円の会社のBPSが500円だった場合、あなたは500円分の純資産しか持たない株式に対して1,000円という2倍のお金を払っていることになります。
これは、PBRだけの観点で考えると割高(売り時)になります。
逆に、PBRが1倍以下の株式の場合は、500円分の純資産を持つ株式をそれ以下の値段で買えてしまうので、割安(買い時)ということになります。
EPS(Earnings Per Share)
EPSとは1株当たり利益のことで、1株当たりどれほどの利益を稼いでいるのかを知るためのものです。EPSの利益EPSを求める際に使用する利益は、来期の予想値です。
なぜなら、株価は会社の将来の業績を予想して動くからです!
そのため、一般的に株価とEPSの推移には強い相関があります。
EPSは利益が増えるほど大きくなりますし、その逆も然りです。
PER(Price Earnings Ratio)
PERとは株価収益率のことで、株価が1株当たり利益(EPS)に対して割安か、割高かを知る指標になります。
例えば、EPSが300円のA社の株価が3,000円だった場合、PERは10倍となります。
仮に同業他社のB社のPERが30倍だった場合、A社の株式は割安(買い時)ということになります。
このようにPERは同じ業種間など、投資先を比較する際に使われることが多いので、PER何倍が適正といったものはありません。
また、成長スピードが速い会社は利益がまだ少ない場合でも株式が人気(株価が高い)なことが多いため、PERが高くなる傾向があります。
要するに、PERは企業の将来に対する投資家の期待値を反映しているといえましょう。
しかし、PERが何百倍にもなってしまう場合は、過度な投資家の期待感から株式が買われすぎていて割高の可能性があります。
突然の失望売りが起きて、株価が落ちるということがありますので、注意が必要です。
まとめ
まとめると、
PERでは業績と株価の割高・割安を、EPSでは業績と経営者の意思※を読み取ると良いと思われる。
(※株主への配慮、自社株買い方針、株価に対する市場へメッセージ)
また、金利が低下している状況下では、ROEには自社株買いの影響がでやすいため、
併せて「ROICやROA」を確認するか「負債の増加」に注意した方が良いだろう。
以上の6つの指標は、株式投資をする際に必ずといっていいほど出てくる指標(用語)なので、ぜひ覚えておくと良いですよ。
「ROICやROA」 と「PERやPBR、ROE」などをうまく組み合わせて活用して、魅力的な株式を発見できるといいですね。